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第78回富山眼科集談会 ミニ発表

  • 開催日:2018年6月3日
  • 開催場所:富山国際会議場
  • 演題  富山県における2017年度献眼実績報告
    演者  山川身江(富山県アイバンク)
     石附美和(富山県アイバンク)
     入江真理(富山県アイバンク)
     林 篤志(富山大学医学部眼科)

第76回富山眼科集談会プログラムの写真

発表スライド




富山県アイバンクでの、2017年度献眼実績を報告する。
【 対象】
2017年度の献眼登録者、献眼者、移植者が対象。
登録者リスト、眼球摘出記録および移植記録をもとにして調査。



1.新規登録者
2.献眼者
3.移植者
4.強膜移植
の4点について、報告する。





◆登録者◆
年間の新規登録者は全体で92名で、年々減少傾向にある。
[登録者の性別]男性が女性の倍だった。
[年代の分類]40歳代の登録数が一番多かった。



◆献眼者◆
昨年度の献眼者は38名だった。        
富山県アイバンク設立以来、一番多い年度となった。
[献眼に至った経緯]医療従事者による口頭での意思確認が多かった。



[献眼者の性別]男性が女性より多い割合だった。
[献眼者の年代]最高齢は105歳で、平均年齢は75.4歳だった。



[献眼者の死因]悪性腫瘍・脳血管障害・肺炎が多かった。
[眼球摘出場所]ほとんどが医療機関での摘出となった。



[摘出眼の内訳]2017年度の摘出眼数は、75眼だった。 内、67眼は移植にもちい、また、7眼は、新鮮眼あっせん不可であったので保存。不使用眼数は1眼だった。
[摘出眼の角膜内皮細胞密度] 摘出した75眼が対象。角膜内皮細胞密度は、1,282セル/㎟から3,636セル/㎟、平均2,581セル/㎟だった。高齢であっても移植には十分使用できた。





◆角膜移植者◆
2017年度の角膜移植者は述べ74名だった。
[角膜移植者の性別]男性が女性の倍だった。
[角膜移植者の年代]70歳代の移植者が、一番多かった。最年少は10歳、最高齢は91歳、平均年齢は、70.6歳だった。




[角膜移植者の疾患] 水疱性角膜症が最も多く、31名だった。 ついで角膜穿孔・角膜混濁がそれぞれ10名となっている。
[角膜のあっせん施設]富山県アイバンク医学基準を準拠してあっせんをしており、富山大学附属病院が、最多の27件だった。 新鮮で移植できる角膜は、全て新鮮で移植にもちいる。





◆強膜移植者◆
2017年度の強膜移植者は39名だった。
[強膜移植者の性別]男性23名・女性16名、男性が女性より多かった。
[強膜移植者の年代]60歳以上の移植者が、80%だった。 最年少は27歳、最高齢は87歳、平均66.6歳だった。
[強膜移植者の疾患と術式]39件中、緑内障インプラント挿入術(プレートのあるもの)38件、強膜瘻孔閉鎖術1件にもちいられた。



【まとめ】
富山県アイバンクにおける、2017年度の新規登録者は92名だった。 献眼者は38名、移植者は74名で、また、強膜移植は39件行われた。 献眼者数はゆるやかな増加傾向にある。昨年度は富山県アイバンク設立以来の最高献眼数となった。提供の意思を尊重するためにも、医療機関での選択肢提示が出来る体制整備の構築に勤めていきたいと思う。





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