コーディネーター日記
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第72回富山眼科集談会 ミニ発表

  • 開催日:2015年5月24日
  • 開催場所:富山国際会議場
演題  富山県における2014年度献眼実績報告
演者  原 由香利(富山県アイバンク)
 入江真理(富山県アイバンク)
 吉田真理佳(富山県アイバンク)
 林 篤志(富山大学医学部眼科)
  1. 発表スライド
第72回富山眼科集談会プログラムの写真

発表スライド


富山県アイバンクでの、2014年度献眼実績を報告する。
【 対象】
2014年度1年間の献眼登録者、献眼者、移植者が対象。
登録者リスト、眼球摘出記録および移植記録をもとにして調査。

【結果】
◆登録者◆
年間の登録者は全体で322名となった。前年の約1.8倍に増加した。 啓発用冊子「三百字の遺言」を刊行したことが原因の1つである。
[登録者の性別]男性199名・女性123名で、3:2の割合だった。
[登録者の年代]2013年度と同様に、どの年代からも万遍なく登録をいただいている中で、40代の登録数が一番多かった。

◆献眼者◆
2014年度の献眼者は28名だった。
[献眼に至った経緯]献眼登録10名・意思表示欄1名・家族の忖度4名・口頭での意思確認13名であり、口頭での意思確認が約半数を占めた。近年、ご逝去後に主治医をはじめとした病院スタッフが口頭で意思確認をおこなうことが増えて来ている。富山大学附属病院での献眼意思確認システムで4例あった他、富山市民病院で1例・富山赤十字病院で3例・厚生連高岡病院で4例・氷見市民病院で1例あるなど、県内様々な病院でおこなわれている。
[献眼者の性別]男性16名・女性12名で、登録者同様に3:2の割合だった。

[献眼者の年代]71%が70歳以上からの提供だった。 最年少は36歳、最高齢は98歳で、平均年齢は75.4歳だった。
[献眼者の死因]心不全・肺炎で半数を占めた。 悪性腫瘍(がん)が4例あったが、献眼は臓器提供と異なり、血液や眼内のものでなければ献眼可能である。

[献眼場所]献眼場所は、院内移植コーディネーター配属病院20件・民間病院3件・老人施設・1件・自宅4件だった。ほとんど病院で献眼がおこなわれた。 眼科の先生方にはいつも摘出にご協力いただいて、本当に感謝している。2014年度の摘出回数が一番多かったのは、厚生連高岡病院の中谷先生で5回だった。
[提供眼数]提供眼数は56眼だった。内訳は、新鮮眼で移植47眼・保存6眼・移植せず3眼(MRSA陽性1眼・血培でグラム陰性桿菌陽性2眼)だった。
[提供眼の角膜内皮細胞密度]提供眼56眼中、角膜内皮細胞密度測定を行った53眼を対象とする。対象となった献眼者の年齢は、36歳から98歳、平均75.7歳だった。
角膜内皮細胞密度は、1,631セル/㎟から3,472セル/㎟、平均2,697.5セル/㎟だった。内皮細胞密度が2,000セル/㎟未満であっても、角膜穿孔による緊急依頼を受けて2眼新鮮眼で斡旋・移植をおこなった。

◆角膜移植者◆
2014年度の角膜移植者は45名だった。
[角膜移植者の性別]男性25名・女性20名で、男性がやや多めだった。
[角膜移植者の年代]70歳代の移植者が23名と、半数を占めた。最年少は33歳、最高齢は92歳で、平均年齢は72.1歳だった。献眼者の平均年齢より3歳ほど若い結果となった。

[角膜移植者の疾患]水疱性角膜症27名・角膜混濁3名・円錐角膜1名・角膜穿孔5名・角膜変性 ジストロフィ4名・角膜白斑4名・その他1名だった。水疱性角膜症が最も多く、60%を占めた。
[角膜のあっせん施設]当バンク医学基準に準拠しあっせんした。県内は富山大学附属病院が21眼で、国内へは関東9眼・中国1眼・四国12眼・九州2眼の内訳であっせんした。

◆強膜移植者◆
2014年度の強膜移植者は37名だった。
[強膜移植者の性別]男性23名・女性14名と、62%が男性だった。
[強膜移植者の年代]60代・70代で78.4%を占めた。最年少は27歳、最高齢は83歳で、平均年齢は68歳だった。
[強膜移植者の疾患と術式]37例中、36例が緑内障のチューブシャント手術にもちいられた。 他1例は、強膜ぶどう腫に対する強膜移植にもちいられた。あっせん先は、県内で富山大学附属病院36件、県外では中部1件だった。

【まとめ】
富山県アイバンクにおける2014年度の実績報告をおこなった。登録者322名、献眼者28名、角膜移植者は45名、強膜移植者は37名だった。
献眼者数は、やや増加傾向にある。主治医をはじめとした医療スタッフによるオプション提示が、近年の献眼者増加の大きな要因の一つとなっている。今後も、ひとりでも多くの方に、アイバンク事業をご理解いただけるよう、献眼啓発をおこない、事業推進したい。


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