コーディネーター日記その1


県庁へ向うクルマの中、携帯電話が鳴り出した。路肩へ停めて電話に出る。N病院のH副婦長さんからだった。この方には先月あった献眼で大変お世話になっており、御礼を述べ用件を伺う。献眼の御連絡だった。Mさんとおっしゃる84歳の、N病院で看護婦をなさっていた方で、独身の為、最近迄千葉にお住まいの弟さんご一家と一緒だったのが、発病後ご本人の希望で転院されてこちらに折られた等、かいつまんで伺った。生前からご本人の希望があり、弟さんもご了解とのお話で、献体と献眼を申し出られているとのことなので、資料調査の結果しらゆり会(献体)とアイバンクには登録されていない事が解り、アイバンクへの角膜提供だけが出来る旨をお伝えする。千葉からおいでになった弟さんに、H副看護婦長から伝えて頂き、死因・感染症・既往歴等を調査頂き、結果献眼適応の結論を得た。 携帯電話でこれらの状況をチェックするは、なかな手数がかかるが、故人やご親戚の方々のお気持ちを察すると、決して苦ではないH副婦長さんに、献眼可能であることと献眼意思の再確認と承諾書類への署名をお願いし、検査のための採血をお願いする。そして医薬大眼科に連絡をいれ、N病院にクルマを走らせた。15分後病院到着、病棟へ走る。採血は終っていて、摘出医到着を待ち、作業終了の摘出医と共に病院へ急行。到着後直ちに血液検査に出し、角膜チェックの手配をする。何しろ時間との競争だ。やっと落ち着いたら夕方になっていた。夢中の1日であった。翌日理事長と葬儀に参列する。理事長の弔辞には、いつも感銘深い物を感じる。理事長が、深くアイバンク運動に思いを致されていらっしゃるのに感激する。Mさんの女学生時代のお友達の弔辞を聞きながら遺影のお写真を見る。やさしい面立ちに後ろに一つに纏めた髪がきりっとして、その目はきらきらと輝いてみえる。素晴らしい方だったんだろうなァ、と合掌する。
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