コーディネーター日記その4
仕事を終えて、息子を学校まで迎えに行く。部活が終わるまでまだ少し時間があるので途中で明日の食材を調達する為にスーパーに立寄った。入口で一人の女性とすれ違った。「あれ?見たことある方」と思いながら挨拶を交わした。しかし思い出せない・・・誰だったかなあ・・・と考える間もなくその方が、「入江さんですね。早いもので四十九日が過ぎ・・・・」と話しかけて来られました。あっ!そうだ。先日ご献眼頂いた方の妹さんだ!そこでしばし話し込んだ。
病棟からポテンシャルドナー情報が入った。登録して頂いている方である。お名前、生年月日等を確認し、登録の葉書を探す。お名前を聞いて耳を疑った。「まさか??」と複雑な気持ちで病棟へ向かった。師長さん、主治医のK先生にご挨拶し、現在の病状をお聞きした。感染症なし、使用禁忌の疾患なしで献眼適応である。説明を行う為にご家族にお目にかかる。お母様のお顔をみた時、「やっぱり、そうだったのか」と思った。
数年前、お父様からご献眼頂いていた。御本人には平成7年に献眼登録をして頂いた。昨年4月に開催した「設立10周年記念大会」には、お母様、お姉さま、妹さまご家族そろって出席して下さった。あれからたった5ヶ月しか経っていないのに。あまりにも早すぎる。
承諾書にサインを頂く時にお母さまからこんな言葉が出た。「本当は、献眼は喜んでの賛成ではないのよ。でも、本人がそれを望んでいるから本人の意思を尊重したいと思います。」と。
会場には、小田一正の曲が流れていた。Sさんが一番好きだった曲だそうだ。ご葬儀には私一人で参列させて頂いた。葬儀の間、Sさんが歩んでこられた道、お人柄などを垣間見ることができ、涙がとまらなかった。
事務局へ戻ってアルバムを探した。県民会館1,300人収容した記念大会のアルバム。こんなたくさんの中から果たして見つけることができるだろうか?と思いながら一枚ずつ確認した。あった!!お母様と妹さまと一緒に写っている写真!
楽しそうに笑っていらっしゃる写真。早速、移植の報告をかねて写真をお母様にお送りしました。
Sさん、貴方から頂いた角膜、今もにこやかに輝いていますよ!あのお写真の微笑みのように。
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